アリとキリギリス

女王アリの寿命は、10〜20年。

働きアリの雄の寿命、2ヶ月。

働きアリの雌の寿命は、1年。


これは、そんな彼らの切ない物語。


むかーしむかーし。

あるところにアリさんとキリギリスさんが、いました。


アリさんは、寒い冬に向けて一生懸命働いていました。


一方キリギリスさんは、

「寒い冬?そんなこと知るか。

   俺たちの青春は今しかない!

   今を楽しんで生きるんだ!

   さぁ、お前ら俺の歌を聴け!」


と言って食べ物もその場しのぎで生きて来ました。


アリさんは、言いました。


「そんな生活ばかりしてると寒い冬は生き残れないよ?」


そるとキリギリスは、こう返しました。


「冬、そんな季節俺たちにはないね!」


アリさんは、ため息交じりに答えます。


「どうなっても知らないよ?」


「俺たちは、今を生きるんだ!

    今を生きれないやつに未来は語れないさ」


アリさんは、冬に備えて一生懸命働き。

キリギリスさんは、命をかけて歌い続けました。


そして、秋。

寒い冬が近づいてきました。


キリギリスさんは、1匹の雌に恋をしました。

キリギリスさんは、一生懸命恋の歌を歌いました。

キリギリスさんの恋は成就し2匹は、愛しあいキリギリスさんの子供が雌の体には宿りました。

キリギリスさんは、こう言いました。


「もう、思い残すことはないぜ」


そして、冬を迎える前に寿命でなくなりました。

享年2ヶ月。

外敵に食べられることなく一生を終わりました。


一方、アリさんも恋をしました。

雌アリさんです。

アリさんは数々の困難と立ち向かい恋が実り1匹の雌アリさんのお腹に子供を宿すことが出来ました。

アリさんは、静かに笑います。


子供を宿せた。

ついに僕にも子供が出来るんだ。


そう思い弱った体をヨロヨロと歩いていると別のアリさんに見つかりました。


「おい!

    こいつ弱ってるぞ!」


その一言で、沢山のありに囲まれました。


なに?

どういうこと?


アリさんには、何が起きたかわかりませんでした。


「とりあえず、コイツを食おう。

    腹減ったし」


アリさんは、抵抗する元気がありません。

あがきもがいたけれど複数のアリさんたちの前には、無力でした。


まだだ、まだ死ぬわけにはいかない。

子供の顔を見るその日まで……


しかし、アリさんの思い虚しくアリさんは食べられてこの世をさりました。



おしまい




なんか、虚しい話になった。

久しぶりの即興小説は楽しかった。

最後は、るろうにけんしんっとぽかったけど……